活動報告

2022年3月5日

ミヤリサン製薬株式会社

～家畜感染制御ネットワーク　キックオフセミナー 開催後記～

 薬剤耐性菌（AMR）は医療現場だけの問題ではなく、畜産現場でも出現し食品を介して人へ伝播していると考えられています。よって「人・動物・環境」を包含したワンヘルスに基づいた対策が必要とされていますが、全国的にはまだAMRに関する情報提供は不十分なようです。このような背景のもと畜産現場におけるAMR感染症を制御し、安心で安全な畜産物を消費者に提供することを目的に家畜感染制御ネットワーク・JLIC(Japan Livestock Infection Control Network)が構築されました。今回はキックオフセミナーとして、まず会長の酪農学園大学名誉教授田村豊先生より当会の設立の趣旨をご報告頂きました。

 養鶏部門からは株式会社ESACの永井先生より、養鶏場で処方される抗生物質の実際の用法について養鶏を専業とする開業獣医師のお立場としてご意見を頂きました。養豚部門では髙橋とんとん診療所の髙橋先生から疾病と戦わないための農場管理の施策について生産者としての立場からご解説頂きました。酪農・養牛部門として酪農学園大学教授の加藤先生から、細菌学的検査を活用した抗生物質の選択の重要性と、代替法として生菌剤使用の一例をご紹介頂きました。消費者部門からは日本生活協同組合連合会（日本生協連）の鬼武先生から、消費者から頂いた情報を基にAMRに関する関心度などをご紹介頂きました。

 最後に、総合討論として上述の先生方に含めまして、それぞれの講演で座長を担って頂きました帯広畜産大学教授の岡村先生、あかばね動物クリニックの伊藤先生、岩手大学准教授の一條先生も加わって頂いて参加者からの質問に回答する形でご討論頂きました。

 今後のJLICの活動として、このようなセミナーの開催を通して畜産関係者、獣医療従事者、消費者に対して薬剤耐性菌問題や様々な感染症などについての情報発信を行ってまいります。

【内容のお問合せ】
ミヤリサン製薬株式会社 動物薬事業部
JLIC事務局　髙須 正洋（たかす まさひろ）
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